
1度目より2度目3度目と読むほどに引き込まれました。
最初はツンと澄ましただけの人かと思ったキツネさんが熱くて一途でかわいい人だったり、お金持ちのボンボンでイヤなやつなのかと思っていた宝井が、自分が経験したことで判断ができる懐深い大人へと
成長していったり・・・。少しずつふたりの気持ちが近づく感じや、一緒に住むようになってからのささやかなしあわせを大切しているふたりの様子にほっこりあたたかな気持ちになれました。
絵が好みでパケ買いしました。
時代背景を感じさせる設定に絵柄が合っていて不思議な魅力のある一冊だと思います。
好きな作家さんですが、少し前の作品から薄々感じていた雲田はるこさんの影響が表題作では色濃くなり過ぎていて、気になって読み進め難いほどでした。完全に馴染んでいればまだ良いのですが、コマによって元々の絵柄と雲田風の絵柄が混在していて気持ち悪い…
表題作は戦後を背景に、カクテルと身分違いをモチーフにした物。「戦後」「カクテル」と言う設定に縛られて?振り回されて?テンポ悪いままクライマックスもなく最後の方で慌ただしく纏めた感じでした。全体的に残念。
もう一作の方は、梅松作品って感じで個人的にはとても好きです。幼馴染が成長と共に立場逆転、下克上された方がコンプレックスこじらせ、拗ねてかわいくなっていきます。「水泳」「プール」のモチーフが終始うまく生かされている点、いいなーと思います。最後のシーンめちゃくちゃかわいい。
作家買いしたのに表題作では作家さん本来の良さが見失われていて残念でした。短編が良かったので星は4つに。
表題作の昭和モダンなレトロな雰囲気や現代とは違う言葉遣いなどが、とても素敵でした。キツネさんの色っぽくて影のある大人な感じも、切れたら凄い漢な感じも大好きでしたし、宝井くんもぼっちゃんなのに、嫌味が全然ないどころか寧ろ、育ちの良さが滲み出て
いると言うか、青くて真っ直ぐな感じが本当に良かったです。短編も良かったですが、勝手に拗らせてツンツンしてるキャラがイマイチ好きではなくて…。表題作だけで一冊まるまる表題作にして欲しかったです。
と、作品の購入者はこのようなレビューをしています。
昭和28年、ここは花の都・東京銀座。バーキネマには今宵も洒脱な男達が集う。大企業の御曹司・宝井君は、大学生活の傍ら道楽でボーイのアルバイトを始めた。仕事を教えてくれる厳しい先輩・キツネさんは、妙に男を惹きつける色気で、客の口説き文句をさらりとかわす。飄々とした風情に反して、キツネさんは一途な恋心を秘めていた。意中の相手を見つめる眼差しに、宝井君は苛立ちを隠せず、キツネさんを押し倒してしまい――。バーを舞台に醒めることのない、惑乱の恋が始まる。電子限定の描き下ろしページも収録。