
心にずっしりと残る重厚なストーリーに引き込まれかけては方言である「ば」の使い方の間違いに強烈な違和感を感じて引き戻されるの繰り返しでした。
博多出身の人にチェックしてもらうべきだったと思います。
「仁義」というとヤクザっぽいけど、本来は思いやりや情け、道徳上守るべき正しい道、礼儀や義理などの意味。そう、今作はまさに仁義を貫く男達の、ただただ大切な者を守りたいと願い挑む男達のお話なんです。
最初こそ人物達の表情や絵柄が固いと感じまし
たが、このストーリーにはむしろハマります。そして登場人物達は多くを語りませんがストーリーを追っていくと根津、城戸、譲の気持ちが伝わってきて‥、だからこその涙顔レビ!本当切ないったらありゃしない!
ラスト、根津と城戸が穏やかな顔で向かい合って杯を交わすシーンが好きでした。あの時2人は何を思いながら酒を呑んだのか。これまでのこと、これからのことを思うと鼻の奥がツンとします。
仁義を貫くってある種の覚悟が必要で、器の大きい人間にしかできないとこの作品を読んで通感します。まるッと表題作で179p、これは映画化してほしいと思う作品でした。
桃山なおこ先生。以前は絵に硬さを感じて読むのを躊躇してしまったのですが、『ダメBL』でのBLというより男気がある作風に惹かれ、本作を手に取りました。
炭鉱のある田舎町に辿り着き、チンピラに絡まれて…という入りでお話が始まるのですが、
もうそこだけで興奮ワクワクが止まらない。
硬いと感じていた絵も、寧ろストーリーとピッタリ合っていてすごく良かったです。
硬派な色気がこぼれてます。
で、肝心の内容なんですが…
いやぁぁぁ……絶句。
痺れました。
渋い!!すごく良い!!
まるで映画なんですが、映画なら席から立てなくなってた。
絶対パンフを買って帰って熟読します。
…実際はパンフなどないので、もの凄い余韻を抱えました。
悶ながら目に留まるタイトル。更に悶る。
任侠の世界がお好きな方には、ちょっと強めにオススメしたいです。
と、作品の購入者はこのようなレビューをしています。
炭鉱のある田舎町に着いた根津は、駅前でチンピラに絡まれ殴り合いの大喧嘩になる。お座敷で酒を楽しんでいたヤクザの次男坊・城戸は窓から覗き、根津の喧嘩の腕を見初め、止めに入り呼びつけ、「俺の用心棒にならないか?」と誘う。ヤクザと係わり合いたくない根津は断るが有無を言わさず押され、城戸に付くことに。日々、傍で過ごすうちに、城戸の組内に不穏な空気が流れているのを知る。城戸が囲っている謎の男・譲も現れ…。根津、城戸、譲…そして組の行方。運命を共にするのは誰なのか。