
喪失と再生の物語です。
読み返す度に新たな箇所で泣いてしまいます。
結果、三周目以降は、ほぼ泣きっぱなしという事態に陥ってしまいます。
えっちシーンですら泣けてしょうがありません(でもちゃんとエロいよ)。。。
創作者にとっての停
滞は、生きながら死を感じるほどの苦しみだと想像します。
大好きな作家が書けなかった時期、ファンとしてはただただ祈りながら待つしかなかった経験があります。作家がエゴサすれば目に止まる場所にどれだけ作品が好きかを綴るのが精一杯でした。
新刊が出た時には、えも言われぬほどの喜びに震えたものです。
なので編集者の立場から作家を後押しするも、結果が得られない虚しさはどんなに辛いものなのでしょうか。
また、書けないを書かないと決めてしまうのはどんな心持ちなのでしょうか。
それでも支えると決めた愛する人の為なら造作もない事だったのでしょうか。。。
そこに突然として、かけがえのない、とても大切なたったひとりを失うというメガトン級の空虚が襲います。
深く、痛い。
作品が淡々とした調子で進んで行くので、様々な苦しみ悲しみ虚しさが、色も音もなく、ぽとんぽとんと落とされ蓄積していきました。
積もったモノは最後まで抱えて読み終わる、安易な手法を取らないのが、リアルの人生と同じだと思いました。。。
3人の祈るような思いが静かに全編から溢れ出す、哀しいけれど温かい作品です。。。
再生に向かう過程で、飼い猫の数がだんだん増えていくのが痛さの中でぬくもりを感じました。
と、作品の購入者はこのようなレビューをしています。
入社3年目の書籍編集者・宮本(みやもと)は仕事に対する情熱を失いかけていた時、担当作家・藤原(ふじわら)宅で薔田(そうだ)と遭遇する。わずか3冊の本を出版した後、消えてしまった幻のカリスマ作家・薔田は宮本が編集を志したきっかけとなる憧れの作家だった。薔田の新作を世に出すという目標ができた宮本は、熱心に執筆依頼を始めるが――。担当の人気作家と憧れの元カリスマ作家の恋を静かに見守る若手編集者、3人それぞれの想いを丁寧に描いた一筋縄ではいかない感動ラブストーリー連作☆