
BLアンソロジーのオペラで連載を読み、そこから注目し始めた作家さん。故に購入。
各々好みはあると思いますが、個人的に見やすくてタッチが暖かく、好きな絵柄です。特に笑顔のカットはどのキャラも大変かわいい。なんというか、母性本能にキます。
こちらは短編集です。表題作は始めの四本。ゲイやストレートなど性の垣根を超えて、恋愛の本質を教えてくれる良作と思います。腐的に萌える漫画というより、人間が持つ優しい感情をちくちくと刺激されて、切ないけれどしかし、やはりそこに落ち着く、というミニシアターぽい漫画です。アンスイートですが、読後感は良。ほっこりします。恋に恋する青い頃はもう過ぎた、という年齢の方にお勧めしたいな、個人的に。
表題作含め、どの話も特別なものではく、寧ろ日常を切り取ったものなのですが、そんな日常で感じる違和感や疎外感を丁寧に汲み取り、大切に描いている、という印象です。だから切なさが胸に響いてくるのだと思います。報われない展開の話もありますが、どれも白黒ハッキリで救われない…ではなくてグレーな終わり方なので(それがまた切ないのですが)、そこに希望を見出すことは出来るかも。ハピエンだけが見たい!とにかく萌えたい!エロ大好き!な方には中途半端かもしれない。でも、読んで損はしないと思います。たぶん。
線のタッチが細く空間を感じさせるアングルの描写なんかが良くて、その雰囲気ある絵を楽しみながらも独特で繊細な人物描写に引かれました。
ストーリーはいくつかの短編になっていて様々な登場人物とその関係が描かれています。各話ごとに読みやすい流れで構
成されているので、トントン先に進めた感じでした。
1〜4話のタカタなんかは人間としてとても愛おしく、抱きしめてあげたくなる気持ちが見ている私にもわいてきました。ゲイに新しい家族を作る事はできない、というキーワードが重く切ないけどそれを払拭する優しいラスト。誰かと添い遂げたいと思う気持ちは理屈ではない、という温かみを感じます。他にも苦く切ない恋模様や、高校生同士のじゃれあうような話など内容色々で充実した感じです。一番好きだったのは、どんなに想っても報われないのにそれでもデリヘルの男に恋して止まない男の子の話でした。カシイさんは魔性だと思います(笑)
この作家さんの違う作品も是非見てみたい^^
切なさがグーッと心に染みました
1〜4は、ゲイのタカタとストレートの妹尾がつき合い出すも、その価値観の違いからどぅも行き違ってしまう、という話。やっぱ一生子供が持てないゲイの想いなんてストレートには分からないもんなのか…子
供の代わりに植物を大切に育てたりしてるタカタさんが切ないでもこの話、唯一のハピエンでラストは感動です
5・6は、高校の時恋人同士で今は片方既婚者な2人が、友人の結婚式で再会する話。(6は高校時代)
片方は未練で、片方は見栄…それぞれの想いが切なかったです
7・8は、デリヘルの男に本気になってしまった、2人の男のコ(1人は客1人は同僚)をそれぞれ描いた話。どちらも叶わぬ悲恋
苦く切ないストーリーが多めですが、どれもホント心に染みます絵や雰囲気も独自のスタイル感があって好きです
と、作品の購入者はこのようなレビューをしています。
「すきなヒトと一緒にいたいって思うのは、それは自然なことじゃないのか?」女の子としか付き合ったことのない妹尾(せのお)は、ふとしたきっかけでゲイの小説家タカタを好きになった。けれど、性格も環境も何もかも異なる二人の間には微妙に温度差があって…。ひとつになれない男どうしのせつない想いを細やかに描いた珠玉のラブストーリー作品集。