
シリーズ一作目、辛い生い立ちの空良が健気すぎて泣けた
旦那様にめいっぱい愛されて、大切にされて
幸せな気分になりました♪
初読みの作家さんでした。上手い!と思いました。文章が上手いのは勿論のこと、その場の空気感や聴覚視覚等に訴える表現の仕方が上手く、その空間に入り込めました。で、内容ですが、あとがきにもあるように、健気・不憫・無垢のトリプル受けが、一途で美丈夫
な領主の息子(長男ですが側室腹なので子供ができなくてもまあOKか)に愛されて幸福になっていくという、おとぎ話の王道です。後半は山場もあって、読み応えあり。時代物ですが、架空の小国が舞台なので、あまりそこは構えなくて大丈夫です。主人公の空良(捨)の過去は不憫なのですが、物語現在ではそういう不憫さはないですし、何より本人が自分を不憫だとは思わないまま16年間生きてきているので、ジメジメした感じがなく良かったです。あと、個人的には、高虎の「そなたをお守りする」的な敬意ある姿勢に萌えました(睦合うようになってから?は「お前」呼びになってましたが。それはそれで距離の縮まり方に萌えた笑)。ただ、空良のキャラが完全に芯の強い可憐な美少女なので(フリではなく素で)、そういう受けが苦手な方は合わないかもしれません。ちなみに、本編の後に短編が2つ入っていますが(電子限定書き下ろし含む)、どちらも後日談ではなく、本編中の小話です。後日談が読みたかったなー。
シリーズや長編が好きで、先生の他作品も読んで信頼がありましたし、評価も高かったのでずっと気になっていた作品でした。ただ…日本の時代劇のような侍が出てくる設定はちょっとと、敬遠していました。それでも「いつか読もう」と思っていて手を出してみたら
、躊躇っていたのが嘘みたいにあっという間に引き込まれてしまいました。
冒頭の空良の名前の所で「??」となりましたが、すぐに流れが分かるものの、分かったら分かったで泣けて仕方なかったです。ここで空良に感情移入してしまった時点でどハマりが確定した気がします。こういう心優しく純粋で不憫な子が、持ち前の性根の美しさから溺愛されて幸せになるお話は、物語の中だけでなく読み手まで幸せにしてくれる有難い作品だと思います。
あとがきを読んで、本編より何より一番驚いたのは「実は先生自身も時代劇が苦手」ということでした。そんな雰囲気は1ミリも感じなかったし、高評価でシリーズ化されているというのも納得の面白さでした。
気持ちの面で裏切られることのない溺愛系は、バッドエンドでさえなければ水戸◯門ばりに安心の展開でひたすら甘さを楽しめるので楽しかったです(^^)
気になったのは、他の人と殆ど触れあわずに成長した設定の空良くんの品の良さ…に、ちと無理があった
かなぁ?
殆ど他者と会話も交わさない、教育も受けていないはずの空良くん、あんな言葉遣いや語彙力を最初から持ってるって、育ちの悲惨さに説得力なくなっちゃったのが残念といえば残念ですし、嫁いだ後は急速に誰からもの愛されキャラになっているのに、なぜ故郷では誰からも気に掛けられなかったのかが疑問です…
空良の父親の手前、表立っては無理だけれど、陰ながら支えてくれた家臣がいたり、優しく接してくれる人がほんの数人でもいてくれた設定だったりすれば、言葉遣いや優しい性格に矛盾を感じなかったかもとは思いました。
が、まぁBLはファンタジーですもんね!
お腹いっぱいの攻様の甘い溺愛で満足です♪
と、作品の購入者はこのようなレビューをしています。
難産の末に母が亡くなったせいで父に疎まれ、双子の姉の身代わりに人質として新興の小国に嫁がされた捨。しいたげられた生活の中でも捻くれることなく無垢なままに育った捨は、強く優しい夫の高虎に「空良」という名前を与えられ初めて生きる意味を見つける。高虎の役に立ちたいとけなげに振る舞う空良だが夫婦の契りに関しては知識がなく……?電子限定書き下ろしSSを収録!!電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。